護りたいひとが居るということ

〜 3 〜





「ランディ…っ…」
 溜息と共に零された声は甘く、更にランディをのめり込ませていく。与えた悦に身体を戦慄かせて微かな嬌声を零す、その艶めいた仕草に、教えられた愛撫の手が強くなる。
「……好い…ですか…?」
 蕩けたような表情で幾度も頷くルヴァに、ランディは安堵に似た嬉しげな笑みを見せた。
 何度も名前を呼ぶルヴァの目元にそうっと口付ける。灼けるように熱い内部を指で掻き回しながら、彼が少し恥ずかしげに好きだと言った胸の飾りを押し潰した。ひくんと震えながら瞼を開き、もどかしげにランディの頬を両手を包みながら口付けを強請られる。淫靡な表情に、身体の奥がずくんと疼いた。
 薄く唇を緩めて重ねると、頤を上げてひたりと合わせてくる。誘うように差し込まれる舌、触れるとそのままルヴァの口腔へと導かれ、互いの蜜を深く交換した。
「ルヴァ様…」
 口付けの合間に名前を囁くと、その度にひくりと肩を震わせた。吐息と声音に背筋を粟立たせ、瞳を潤ませる。



 くちゅりと音をたてて唇が離れる。
「……ランディ…」
 なにかを強請るような声音。解けかけたターバンの下へ指を潜らせて、髪を梳きながら布を取り去る。髪に触れる指の感触に目を細めながら、ランディの顔を引き寄せて小さく声を零した。
「もぅ……貴方、を…くだ…さぃ……っ」
 応えの代わりに唇へひとつ口付けを落とす。
 ずるりと指を引き抜くと、震える両足を高く抱え上げて己の昂ぶりを押し当てる。急いた仕草に僅かな笑みを乗せながら、ルヴァはランディの首へと腕を廻した。密着する肌と肌。直接、高まった鼓動が伝わっていく。
「…く…ぅ」
 熱く締め付ける蕾に低く呻く。痺れるような快楽が身体を支配していく。



 慣れた風にランディを包み込み蠢く内壁。なんとか息を整えて、ずる、と腰を進め更に奥へと押し入っていく。
「ふ…ぁっ…」
 ルヴァの頤が軽く仰け反り、甘い吐息が抜ける。ランディに余裕があるかというと流石にそれどころではなく、意識は全て下肢へと集中していく。



 ぐっぐっと突き入れ、腰を抱えなおそうと手を滑らせた。その感触に期せず肌を粟立てたルヴァの蕾がきゅうっとランディを締め付けてしまう。
「ぅ……ああっ」
 短い声と共に、ルヴァの蕾の奥に熱いものが満ちていく。自分の熱に上乗せされる熱に、びくりと甘い肢体が戦慄いた。
「ぁ…」
 なんとも情けない貌で、そうっとルヴァを見る。浅く息をつきながらゆうるりと微笑うルヴァが、横たわったまま首を傾げてみせた。
「そんな顔……しないで、くださいね…」
 大丈夫ですよ、と栗色の髪を撫でるルヴァを見る青の瞳が、どこか口惜しそうに潤む。
「だ…って…なんか、情けないじゃないですか」
 己の不甲斐なさに少しむくれるランディ。繋がったままの昂ぶりを突然蕾で締め付けられて、ぎゅっと目を閉じ下肢を襲う悦に耐える。
 は、と息を吐いてルヴァを見下ろすと、潤んだ瞳で見詰め返されて。
「…ほら……また、大きくなった…」
 表情と声と仕草に、下肢へと新たな熱が集まっていく。
「2回目だから……今度は大丈夫ですよ…?」
 今まで幾度か肌を重ねた経験上、それは確かにそうだった。けれど口惜しさはやはり消えない。きゅっと唇を噛むと、上体を傾がせてランディはルヴァに口付ける。



「もっと強く、抱いて…くださいますか」
 問いに、至極真剣な表情でこくりと肯定を返した。




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