風皓の申し出に、少し寂しそうに微笑む。
「ありがとう御座います、……けれど、まだ少し歩きたいので…」
残念そうに微笑いながら風皓は頭を下げてその場を辞した。来た時と同じ様に駆けていく彼の後ろ姿を見送りながら、地慧は小さくすみません、と呟いた。
さく、と草を踏締めながら、帰路につく。
遥か天空に浮かぶ月を見上げて、ひとつ溜息をついた。
「……貴方も、私と一緒でひとりなんですねぇ…」
でも、と口のなかでひとり地慧は呟く。
「来年まで…待ってみる、というのは莫迦ですかねぇ」
自嘲するかのように微笑う寂しげな地慧の表情。闇の中、月の光がその姿を照らし出す。
「莫迦になってみるのも、また一興ですか」
ふふ、と笑いながら、少しだけすっきりとした表情で再び歩き出す。
星降る夜に誓う。―――――――彼に向かう、揺ぎ無い心を信じて。
〜 END02 −想いは永遠に− 〜
TOP
|