2000/02/25・UP
DARK BLOOD
〜 11 〜
清一色×八戒


『悟能』

 一色の唇から発せられた声に、びくりと八戒の身体が揺れた。





『……悟能?』





 甘い、甘過ぎる、声音。確かに耳の奥に残る、一番愛した人の、『声』。耳元に寄せら

れた一色の唇から零れる、聞き間違い様の無い、彼女の――――――――。





「…や………」

 酷薄な唇で癒された傷口を撫でられ、肩口を甘やかに吸い上げられる。相変わらず

擦り上げられる身体の奥で、深く挿し入れられた指先がしこりを突き上げて八戒の髪を

散らした。

「ひとつに、なりましょう?」





『ねぇ、私達、このままひとつになれたらいいね』





 破綻の兆しを見せ始める思考が、悪意に染まる甘い声に絡め取られて過去の幻影に

侵されていく。

「っや、め……っ」

「悟能……」

 喘ぐように息をする唇に、ひたりと冷たい唇が重なった。流れ込む唾液は蜜よりも甘

く、その感触は逆に身体の熱を煽っていく。





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バレンタインカウントダウン ☆ 清一色から八戒へ / 『狂愛』 を込めて