DARK BLOOD 〜 11 〜 |
清一色×八戒 |
「『悟能』」 一色の唇から発せられた声に、びくりと八戒の身体が揺れた。 『……悟能?』 甘い、甘過ぎる、声音。確かに耳の奥に残る、一番愛した人の、『声』。耳元に寄せら れた一色の唇から零れる、聞き間違い様の無い、彼女の――――――――。 「…や………」 酷薄な唇で癒された傷口を撫でられ、肩口を甘やかに吸い上げられる。相変わらず 擦り上げられる身体の奥で、深く挿し入れられた指先がしこりを突き上げて八戒の髪を 散らした。 「ひとつに、なりましょう?」 『ねぇ、私達、このままひとつになれたらいいね』 破綻の兆しを見せ始める思考が、悪意に染まる甘い声に絡め取られて過去の幻影に 侵されていく。 「っや、め……っ」 「悟能……」 喘ぐように息をする唇に、ひたりと冷たい唇が重なった。流れ込む唾液は蜜よりも甘 く、その感触は逆に身体の熱を煽っていく。 |