2000/03/27・UP
FAKE
〜 4 〜
清一色×八戒


 入り口の襞をひとつひとつゆっくりと丹念に撫でられ擦り上げられる。

 少し入ったところを広げるように抉られて、腰が無意識に浮く。

 内壁を余すところなく撫でていき、少しずつ奥へ奥へと入り込まれる感触に神経が少

しずつ焼かれていく。

 幾度目になるか判らないくらいに落とされる甘い吐息。





 指が深く身体の奥へ押し入っていく。

 しこりに触れないようにその周辺を弄る。じくじくと、湿った音さえ聞こえてきそうな程

に。

 指先が、何かの拍子にしこりを掠めていく。ひ、と掠れた声が尖った耳に届き、長い舌

が薄い唇を舐めた。

「触ってあげましょうか」

 濡れた貌を覗き込みながら、薄笑いの貌が囁く。快楽に融ける表情が揺れて視線が

絡み合う。は、と息をついた瞬間を狙って、しこりをきつく抉る。

「っゃ……ああ、あっっ!」

 強烈な悦に焦点がぶれる。肢体に振り撒かれる白い蜜を、反り返りびくびくと震える

昂ぶりを、引き攣り撓る肢体を、網膜に焼き付ける。

 堪えきれない笑みが、口の端を彩った。





 全て奪って。

 総て壊して。

 過去も未来もその鋭い爪で傷付けて。

 『悟能』を『現実』に繋ぎとめる、たったひとつの術。

 流れる血と涙だけが『真実』。





 爪の上に蜜を乗せ、紅い舌がそれを舐める。

「酷くして慾しいんデショ?」

 問いに返る言葉は無かった。ただ、誘うように紅い舌が唇から覗く。

 くぐもった笑いを零しながら、一色の指が自身の髪に伸ばされた。しゅる、と髪を括っ

ていた紐を解いて手に取る。紐を指に挟んだまま、八戒の両足を大きく割り広げた。

「今日も、せいぜい鳴いて見せて下さいネ」





 碧の瞳から、涙が一筋零れ落ちていった。








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