七夕の戀




 随分と太陽が傾く。
 膝の上に置いたままの手は、白くなるほどに服を握り締めていて。
 目の縁に溜まった雫が一粒ぽろりと零れて、握り締めた手の甲へ落ちる。暫くしてもう一粒零れた雫が服に染みをつくった。



 諦めきれず、ぐるりと辺りを見回す。
















≪あとほんの少しだけ待つ≫ ≪もう諦めて舘へ帰る≫







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