七夕の戀
天空の一番高い位置から少しずつ太陽が降りていく。
それでも、男は現れない。
不安そうな、ともすれば泣くのではないかというような表情で、地慧は唇をきゅうっと噛み締めた。
≪あとほんの少しだけ待つ≫
≪もう諦めて舘へ帰る≫
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