朝の光をきらきらと弾きながら、緩やかに川が流れていく。煌く水面を時折眺めながら、川縁を暫く歩いた。あちこちで花が咲き乱れていて、自然と地慧の頬も緩んで微笑みが口の端に浮かぶ。 そうこうしているうちに、初めて彼と逢った大岩に辿り着く。ふわりと風に運ばれてきた香りにも確かに覚えがある。近くまで来ているのだろうか。辺りを見回すけれど人影は見えない。 大岩に腰を下ろして、地慧は首を傾げた。